優秀じゃないほうの娘、まっとうじゃないほうの子
週末旅行に幼馴染の「ユニセックスでアセクシャルな子」2人と出かけてきた。
アウトドア旅だったので疲れ果てるまで動き、夕餉は碌にとれずにハブラシと一緒に置いてある小さなグラス1杯のビールでこてんと寝てしまい朝ごはんをめちゃくちゃ食べる、という野生児な旅だったのだけど、そこは34歳と34歳と35歳。
外野がうるさい、という話になった。
この面子で居ても、私を含め皆ものすごくものすごくマイペースなので、外野の言うことに何か感じているなんて思わなくてまずそのこと自体にびっくりした。
きみちゃんの話を要約すると、
- 勉強のできるきみちゃんは今まで「優秀なほうの子」という扱いを受けてきたのに、成績が悪く積極的にいろいろなことに動くタイプではない「優秀ではないほうの子」弟が結婚して子を持った途端、自分は「優秀じゃないほうの子」として扱われるようになった。
- それどころか「まっとうじゃないほうの子」にされてしまった。
- 参加したいと思ってもいないゲームのルールを勝手に変えて、従えと言うなんておかしい。
私は彼女の両親も知ってるけど、彼氏をつくらない、結婚しないする気もないというだけのことで「まっとうじゃない」「どこかおかしい」と言うような人とは思わなくてびっくりした。
勁い人ではあるけれど、他でもない今までわりと良好な関係を築いてきた両親にそんなことを言われ続け、「そうなのかな」「おかしいのかな」とさすがのきみちゃんも思ってしまうし、そう思ってしまう自分も嫌だと。
正直、【まだ】そんなこと言われるの?って思った。
でもそれは、きみちゃん曰く、Rとまりか(もうひとりの友達。)は普段都会にいていろいろな環境や選択の人を見ているからだという。*1
それもそうなのかもしれないけど、私たち3人は実家は同じ町だ。
セクシャリティに疑問を持たれたことは、と聞いたら、あるけどうちはヘイト強めだから、と。
【まだ】って、Rは言われないの?終わったの?どうして言われなくなったの?と聞かれたけど、私は早々に親にアセクシャルであろうことを言っている。
違うかもしれないし機会が減るのも嫌だから外で他人には言わないけどたぶんそう、私は親切で優しいから期待を持たせないように言っておいてあげるだけで、本当はセクシャリティなんてわざわざ親に教えてあげることでもないのよって、すべて。
まりかは?と続けて聞くと、「うちは【優秀なほうの子】も【まっとうなほうの子】もいない、どっちも変わり者だから」と。*2
何故そんなことが言えるのだろう、と人の親ながら憤ろしい。仲のいい、ごくふつうのよい母親だと感じていたのに。
そうなら、娘の希望としあわせがいちばんなはずだし、ひとりで生きていく覚悟も決まっているのだから、乱暴な言い方をすればいくら親でも
「おまえに関係なくね?」
って思う。
娘のためを思ってとか言って、いま娘はあなたの態度と言葉に傷ついてるわ。
あのかっこいい子が、迷ってるわ。
嗚呼、くちおし。